おっかけ!
4月20日。
今日隣の席をみると、空席でした。
『神山。』
『はい!』
『北川。』
『はい。』
『榊原…。……は、休みと…。』
『佐々木。』
『はい。』
榊原は、休みみたいです。大丈夫かな??
昨日のことを思い出しました。
私に抱きついたのは、倒れそうになったんだ。キスしたのは、きっとしんどすぎて頭がわけわからなくなったんだ。
そう自分に言い聞かせました。
榊原がいなくてなんだか静かでとても違和感のある1日でした。
『おーい。おーい。』
目の前には、渚がたっていて気が付くとまわりには誰もいませんでした。
『帰るよ。』
榊原のことを考えていたらあっという間に時間がたっていた気がします。
ご飯を食べた記憶もありません。
ボーっとしたままくつばこへ。
あっ…
誰かによびとめられているような。
後ろに振り替えると校長先生が。
『どうしましたか?校長先生。』
『ちょっと君をまっている人がいるんだよ。校長室にきてくれんかな?』
『あっ…はい』
大事な話しだと思い、渚を先に帰らせて校長室にいきました。
校長室の中は、とっても煙がすごくて、タバコの匂いが充満していました。
中には、校長先生、教頭先生、あと見知らぬ男の人1人。
『あっ!こんにちは。』
私は、見知らぬ男の人の前に座りました。
男の人は、財布から1枚の紙を出して、私にさしだしました。
その紙は、大木プロダクションとかかれていました。
あの男にもらった名刺と同じでした。
『この間は、部下がどうもお世話になった。本当にすまなかった。部下がどうしても君を事務所にいれたいというんだよ。』
『あぁ…そうなんですか。』
あいづちをしました。
私が、あの大木プロダクションに?!
入れるなら入りますよ。
『えっ…でも…そーゆーのは…』
本当は、入りたいです。でもこういわないと…ね。
まぁ、いわゆる演技ですね。入らないようにもちかけて、相手を焦らし、もっといいように持ち込みます。
『お願いだよ。今週の土曜日に事務所にきてくれ。』
男の人は、そういうと時計をみて部屋から出ていきました。
あっ…
校長先生と目があいました。
『君も芸能界デビューすれば、この学校ももっともっと知れわたり、入学する人がふえるだろーなぁ!アハハハハハ!』
『アハハハハハ』
私は、校長室からでました。