おっかけ!


嘘つき。榊原くんの嘘つき。
なんであんな嘘つくのかな。
嘘をつくならもっとマシな嘘をついてよ。


4月22日。

隣の席に榊原がいました。絶対に目は、合わしたくないです。


『ねぇ?』

…。話したくないです。
私は、榊原を無視して渚の所にいきました。

『なにがあったかしらないけど、しゃべってあげなよ。』

『えー。絶対いやだ』

私の怒りは、最上級まできています。

その後、渚に何があったのかたずねられましたが、答える気などさらさらありません。

今日の授業は、いつも以上にまじめにとりくめました。

今日は、久しぶりに部活にいきました。
あらためてみる先輩方は、大人にみえます。

仮入部中は、先輩をぱっとしかみたことがなかったので、誰が誰かわかりません。

黒板にプリンの作り方がかいてありました。
卵の黄身を少し多めにいれました。
卵に牛乳を加えた時、榊原が私を呼び出しました。

先輩達からは

青春だねー

とからかわれました。


青春…。

青春を味わってみたい。



榊原は私をつれて、人通りのない図書室の前にいきました。

『なに?部活いきたいんだけど…。』

『なに?……ってこっちのセリフだっつぅの。なんで今日は、全然話してくれないの?目だってあわしてくれないじゃん…。僕…すごくさみしいよ。』


『こっちがさみしかったよ!!なんであんな嘘ついたの?』

『嘘?そんなのいつついたっけぇ…??(笑)』

『とぼけないでよ。それともまた嘘つくの??』

ホント、嘘つきは嫌いです。

『だから嘘ってな…』

『あんたん家にいったのよ!そしたら、お母さんがいた…。ましては、おばあさんまで…。どーゆーこと?親は、いなかったんじゃない?おばあさんは、亡くなったはずじゃなかったの?』

その時、榊原の顔つきがかわった。

『勝手に人の家にくんなよ!?マジ迷惑だって…。お前は、俺の人形なんだ。人形は、話さない。主人にむかって反抗しない。ただ、俺のそばにいればそれで十分なんだよ?!』


怖い。榊原が別人のようだ。

怖くなった私は、家庭科室に戻りました。

『なになに?告白?告白?』

3組の柊兵里子(しゅうべいさとこ)にきかれました。


告白!?

周りは、ざわざわしています。

『そんなんじゃないですよ…。』

私は、笑っているつもりでしたが、苦笑いになっていると思います。

顔になかなか筋肉がつきませんでした。


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