おっかけ!

いつのまにか私以外のみんなは、プリンを作り終わっていました。

里子は、私の分のプリンをつくっていてくれました。

プリンがさましおわると2年生の先輩達が一斉に家庭科室からでていきました。

『みんなかわいいわね。』

『ホント…(笑)』

部長と副部長の先輩が話しています。

それから1、2分がたった時、家庭科室をでていった2年生全員が戻ってきました。

『おかえりなさい。』

『ただいまです。』

『今日も帰ってたのかしら?』

今日も?

帰ってた?

ん?なんのことだろう。

里子に聞いてました。


『あぁ…。2年生の先輩は、あの吉良先輩にプリンを渡しにいったんだよー。でも吉良先輩いつもいないから、結局自分たちで食べちゃうんだけどね…(笑)ささ、ウチらはウチらで、たべよー。』


プリンを口に運びました。

『おいしい…。』

さっきまでのイライラがとまりました。

『里子おいしいよー!』


手と口がとてもはやく動いて、いつのまにかプリンは、カップの中から姿をけしました。


家に帰って、今日ならったプリンを作ってみました。見た目はとても綺麗なのですが、味は全然甘くなく、ザラザラしていました。

砂糖がとけきっていなかったのだと思います。


でもお母さんは、それをおいしそうに食べてくれました。

『おいしい。おいしい。もう1つちょうだい。』

なんだか自分で食べるのは、恥ずかしかったので、残りの4つをお母さんにあげました。


自分で作ったものを自分で食べるより、それをおいしいといってくれる人に食べてもらいたいです。

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