イケメンダンシにご注意を。
_数週間後、
やっと高校にも慣れてた。
これも千香のおかげでもあるなー
千香は元気よくて優しくて
すぐクラスに馴染んじゃって…
尊敬します!
一方私はというと
なかなか自分から話しかけることが
できず、未だ半分以上の人と
話しておらず…
焦らない焦らない!って千香に
言われたものの…
大丈夫なのか…
そして今はお弁当の時間!
1番好きな時間!
いつも千香と机を向かい合わせにして
食べてる。
毎日たわいもない会話で
盛り上がってる!
「ねぇねぇ、
渡辺君かっこよくない?」
千香が1人の男子をチラッと
横目で見た。
「んー?
どれどれー?」
顔も名前も一致しない私は
キョロキョロと教室を見回した。
「ほら、今笑ってる!
田中君と話してる人」
田中君と言われましても…
千香が小さく指をさした方には
2人の男子が話していた。
たぶん、こっちかな…
いや、そっち……ん?
2人の後ろの席にもう1人いる…
誰だろう。
「ねぇ、千香
その渡辺君たちの後ろにいる人って誰?」
この際どっちが渡辺君でどっちが田中君だなんて気にならなかった。
ただその後ろの席の人が気になってた。
「あー、神崎龍矢君?
アタシもまだ話したことないなー」
神崎…龍矢君、か…
んー、顔がよく見えないなー
田中君?それとも渡辺君?
どっちかわかんないけど、
もう少し左に寄ってくれれば見えるのに!
首を伸ばしても体を動かしても
やっぱり見えない。
でも、なんでこんなにも気になるのかな…?
と、その時
神崎龍矢君の顔がはっきりと見えた。
少し茶髪で前髪を横に分けて、
ワックスで毛先をはねさせている。
だからと言ってやさぐれてる感じはなく、むしろ大人しそうだ。
綺麗な顔だなー…
「咲?どうかした?」
私の様子を不思議に思う千香の声も届かず、ただ神崎君を無意識に見つめてしまっていた。