吹奏楽部の恋愛事情
いきなりの事に頭がついていかず、
ただ扉の方を見てボーッとしていた。
すると・・・
「ちょっと、悠人!
あんたいったい何したの!?」
「何って・・・
別になんもしてないけど、、、」
俺にはまったく思い当たる節がなく、
考えてみても検討がつかなかった。
「にしても、舞奈初めてみたかも、
愛のあんな姿・・・」
「うちもあんな愛見たことないかも。」
愛はみんなの前で、
あんな怒ったりなんかしない。
俺でさえもめったに見たことない・・・
いったい愛羅は何にあんな怒ったんだろ?
「う~ん・・・
悠人がウチらと仲良く話してたからとか?」
いや、それはないだろ。
だって愛羅も達遥と仲良く話してたし、
こっちを気にしてる様子もなかった。
「じゃぁ、会話に何か問題があったんじゃないかな?」
会話に・・・?
てかさっき何話してたっけ・・・
「え~、でも話して内容って、
今度の休みに悠人の家で遊ぼうって言ってただけだよ?」
今度の・・・・・・休み・・・・・・?
あっ!!
そうか、そういう事だったのか・・・
「ごめん、みんな。
愛羅が怒ったのは、
全部俺のせいだ・・・」
「はぁ!?どういう事?」
「愛羅が俺に、
今度の休み俺の家で遊ぼうって言ってくれたのに、
俺が断ったから・・・」
「んで、今ウチらの誘いを受けて、
悠人がいいよって言ったから・・・」
まさにそのとうりだ。
そりゃ愛羅も怒るはずだよな・・・
彼女の誘いを断ったくせに、
友達の誘いは受けるなんて、
俺、最低だよな・・・
俺はいてもたってもいられなくて、
すぐに立ち上がり、
ダッシュで愛羅を探しに教室を飛び出した・・・