吹奏楽部の恋愛事情
めちゃくちゃにキレた愛羅は、
美術室を飛び出しどこかに行ってしまった。
俺は何も出来ずにただ呆然としていると、
部活のメンバーがぞろぞろと入ってきた。
「あんたら、低レベル過ぎ・・・
一体いくつなのよ、まったく。」
ため息まじりにこう言ってきたのは、
アルトサックス担当の、
篠原魅瑚(しのはらみこ)。
指揮者を担当していて、
結構大人っぽい性格だ。
「で、悠は愛の事追いかけなくていいの~?」
のほほんとした口調で話してきたのは、
テナーサックス担当の、
榛原亞音(はいばらあね)。
とても天然で面白い性格だが、
怒ると口調も性格も豹変するため怒らせてはならない一人だ。
「いや、今追いかけても説得は無理だろうし・・・
とりあえずそっとしとくよ。」
微妙な笑みを浮かべながら、
無難にそう答えた。
「まぁいいけど・・・
あ、てかもうセクションの時間じゃん!
早く教室行かないと。」
魅瑚の言葉を先頭に、
みんな各々のセクション場所に散っていった。
俺もみんなと同じく移動しようとしたのだが、
とっさに誰かに手を掴まれた・・・
その相手は____________________