吹奏楽部の恋愛事情
説明を終えると、
桃華が不思議そうに訪ねてきた。
「デートくらい、すりゃいいじゃん。
ただでさえうちの部、
休みなんかめったにないのに・・・」
そう、俺らが所属している部活は、
基本的にあまり休みがなく、
月に2、3回あるくらい。
「でも、ダメなんだよ・・・」
「じゃぁ、その理由を話せよ。」
春貴の鋭いツッコミに、
思わず心が痛む・・・
俺が愛羅とデートできない理由は、
そうホイホイと言えるものじゃない。
俺は下を向き、
黙りこんでいた・・・
「そんなに言いにくい事なの?
まさか、愛を嫌いになったとか・・・」
「それは違う!!」
俺はつい大声を出してしまった。
でも、それは、
それほどまでに愛羅を好きだから・・・
だからそんな誤解をされたくなかったんだ。
「じゃぁなんなんだよ。
その理由は・・・」
2人がまっすぐに、俺を見つめてきた。
このまっすぐ過ぎる目に、
俺の心は解かされた・・・
俺は意を決し、
2人に理由を話そうと決めた。
その理由は____________________