TABOO Ⅸ~女の顔~


「単純だからって言いたいんでしょ」


真意がわからないまま笑って返すあたしの腕を、ふいに強い力が掴んだ。


「聡…?」


「ずっと見てた。だからわかるんだよ」


腕を掴む力よりもっと強い視線で見つめられ、


「酔ってるの?美香に怒られるよ?」


はぐらかすことしか出来ないあたしに大きな溜息を吐いた後、「だな」といつもの笑顔に戻った。


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