TABOO ⅩⅡ~最後の秘密~
「聞きたいことって?」
ムッとするあたしに、「怒るなよ」と笑いながら彼が近付いてくる。
こんな息苦しさを感じることだって、もう最後。
そう思ったら、真っ直ぐな視線から目を逸らさずにいられた。
冷たい指が頬に触れても、逃げなかった。
2度目のキス。
それは、最後の秘密―。
長くて短い時が過ぎ、遠ざかる気配に目を開けるとドアの前で足を止めた彼が、
「オレって何?」
再びそう聞いてきた。
「あたしを1番困らせる人」
今度ははぐらかさずに答えると、短い笑い声を残し、ドアが閉まった。