【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
言いたくない訳じゃない。そんな意固地
になって隠すほどのものでもない。
だけど不思議だったし、あの頃は彼を大
嫌いで仕方なかったから、言わなかった
けど。
「幼なじみ……よ」
そう言ったのに、何故か香坂は納得して
いなくて。
疑うような眼差しを、私に向けてくる。
「……本当に、それだけ?」
そう言われて、僅かに跳ねる肩。
間違った事なんか言ってない。彼は幼な
じみ。ただ、それだけの関係。
彼からしたって、私はただの幼なじみ。
───でも、私にとっては……。
「……好きな、人とかじゃないの?」
───ああ、どうしてこの人はこんなに
も鋭いんだろう。
あんまり真っ直ぐに見てくるから、嘘な
んてつけなくて。