【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
殺人的な忙しさと暑さに、たまに意識が
飛びかけたのもしばしば。
……いつから俺、こんな良い子になっち
ゃったのだろう。
前までの俺なら、躊躇いもなしにサボっ
ていたに決まってる。
チラリ、と委員長を横目で見る。
さすが、というかなんというか。疲れた
様子も見せずに、てきぱきと仕事をこな
している。
委員長のレッテルは、伊達じゃないらし
い。
そして、あの日から───一度も交わら
ない目線。
喋りかけても、委員長は大抵プリントに
目を通しているから目線が合わない。
やっぱ、避けられてるのか……なぁ。
───キスなんて、するつもりじゃ無か
ったんだ。
あの日、和馬の正体がわかったら大人し
く帰るつもりだったのに。