【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
「───……キスした」
簡潔にそう言ってやれば、彼方が瞬きも
せずに固まったから。
面倒な奴だな、なんて思いながら深いた
め息をついて、もう一度彼方の頭を叩く
。
すると、一瞬だけビクッと震えた彼方は
、瞬きを開始したから。どうやら現実に
戻ってこれたらしい。
「おら。ボーッとしてんな。仕事すんぞ
」
「お、おう……って、えぇ!?ちょ、禊
っ、マジでか!」
「うっせーなぁ……」
キスくらいでガタガタ騒ぐんじゃねえよ
───なんて言ったら、委員長はきっと
怒るんだろうけど。
もう、なんだってよかった。
ただ、委員長の脳内に"俺"という存在が
少しでも刻まれるのなら。
俺色で、少しでもその脳内と心を浸して
いけるのなら。