【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
誰にも渡したくないし、一生俺の腕のな
かで笑っていて欲しいのに。
君の心に佇むのは、俺じゃなくて。
この腕に君をすっぽりと匿ってしまって
も、君はなんの難も示さずにするりと逃
げてしまうのだろうから。
あとちょっとの距離が、詰められない。
「もう!あんまりからかうなら、二度と
口きかないからねっ!」
本気で怒ったようにそう言う委員長に、
慌てて謝る。
口きかないからね、なんて、普通の女に
言われても気にならないし、むしろ嬉し
いくらいなのに。
委員長、だけなんだよ。
そんな風に言われてこんなに焦ったり、
酷く恐怖心に駆られるのは。
ただ一人、君だけ。
「───……んで、委員長はなんか俺に
用事があったんじゃないの?」