【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
◇花火の下で ─希美side
「委員長ー、知ってた?明日、花火大会
があるんだって」
八月も終わりごろに差し掛かってきた頃
の事。
文化祭準備からの帰り道、まだ夕日が赤
く燃えている時間帯だってのに、「女の
子を一人じゃ帰せない」とかいって、く
っついてきた香坂が。
ふと、真っ直ぐに伸びる影法師を見つめ
ながらそう呟いた。
「ふーん……」
「え、リアクション薄っ!!」
適当にそう返事をしたら、ビックリした
ようにそう言った香坂。
じゃあ他になんて言えば良かったの。
「普通ここは、え、そうなの!?とか、
言うんじゃないの!?」
「え、そうなの?」
「いや!ここで使われても!」
飽くことなく私に突っ込んでくる香坂。
疲れないのかしら。