【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
本当は、いつもなら断るハズなのに、な
んの躊躇いもなくそう言っていた。
頷いた私を、驚きを隠せないとでも言い
たそうな瞳で見つめてくる香坂。
だからそんな香坂を、睨んだ。
「なに」
「や、あっさり承諾してくれたから……
ていうか、いいの?」
戸惑いながらも、どこか嬉しそうに瞳を
キラキラさせて私を見つめる香坂。
「嫌なら今すぐにでも撤回するけど」
「や!大丈夫!行く!台風でも行くっ」
台風だったら私が行かないわよ。
でもそれからもずっと、嬉しいだとか、
幸せだとか、ずーっと言ってるから。
屈託なく笑う香坂を見ていたら、たまに
は香坂に付き合ってあげてもいいかもし
れない、と思ったんだ。
「じゃあ、わざわざありがとう」
家の前まで着いてからそう言うと、やっ
ぱりニコニコと香坂は笑っていて。
さすがに呆れるほど。