【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
「ニヤニヤしすぎ」
呆れたようにそう言うと、香坂は更にだ
らしなく、顔を緩める。
「だって委員長とお祭り行けるんだよ?
そりゃ嬉しいでしょー」
そんなもんなのかな。
ていうか香坂なら、他にも女の子は一杯
捕まりそうなのに、なんて思っていたら
、不意に、香坂が近寄ってきて。
香坂が耳元に唇を寄せるから、吐息が耳
朶を掠めていって、思わずピクッと体が
反応してしまう。
そんな私を、クスッと笑う香坂。
「……可愛い、委員長」
苦手、だ。
さっきまで能天気で、お茶らけた感じだ
ったのに、香坂は急に切り替えたように
、人が変わるから。
その妖艶さを含んだ微笑も。
甘くて、耳に残る声も───……。
「み、耳元で喋るな!」
すごく苦手だ。