【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
いきなり腕を引っ張られて、よろけた拍
子に、ベッドに後ろから倒れこんでしま
った。
ぼふっという音とともに、私の体重で沈
んだベッド。びっくりして思わず瞑って
しまった瞼を開こうとした時に聞こえて
きたのは、スプリングの軋む音だった。
「──っ……!」
目を開けて、私はそのまま固まってしま
う。
だって目を開けた先に見えるのは、私の
上に馬乗りになってる、香坂だったから
。
多分、さっきの軋む音は、香坂がベッド
に乗り上げた音。
香坂は私の顔の横に両手をつきながら、
熱っぽくも、冷たくも思える眼差しで、
私を見下ろしていた。
少し、息苦しいような空間。
何が起こったのか、まだ理解しきれてい
なかった。
「こ、香坂……?」
「……」
「やめて。退いて。たち悪い冗談はよし
てくれる?」