【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
◆苛立ち ─禊side
委員長の唇を塞ぐ刹那、委員長の香りが
一層強く鼻腔を駆けていったから、胸が
ぎゅう、とわしづかみにされたようだっ
た。
無理矢理、ごめん。
こんな風に委員長を力づくで奪っても、
虚しいだなんて事、わかってるけど。
それでもなりふりなんて、構ってられな
くて。
酷い焦燥感が、俺を支配するんだ──。
「委員長……」
重ねた唇を、ほんのすこし離して、委員
長を呼ぶ。
すると委員長が、潤んだ大きな瞳で俺を
困ったように見上げるから、心臓が大き
く揺れた。
委員長……その顔は、反則だろ。
「香さ……んっ…」
俺を呼ぼうとした委員長の唇を、また塞
ぐ。
委員長、ごめんね。