【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
あれ、香坂……なんか不機嫌そう?
クラスでは明るい人気者な香坂は、いつ
だって笑顔なのに、珍しく、唇を引き結
び、眉を寄せている。
普通なら、女の子たちになにか喋ってて
もいいはずなのに……。
ていうか香坂の事だから、和馬君と喋っ
てても可笑しくないのに、何故か和馬君
から顔を背けて、ポケットに手を突っ込
んでダルそうにしてる。
一方で和馬君も、そんな香坂は気にもと
めず、周りのクラスメートと喋っていた
。
そういえば、香坂と和馬君が二人で喋っ
てる所なんて、見たことない気がする。
まるでお互いが、どこか一線を引いてる
ような……。
と、そこまで考えてから、考えすぎかと
首を左右に振った。
そんなこと、あるわけないよね。そんな
風にする、意味もないし。
うんうん、と勝手に納得してると、私の
視線に気付いたらしい和馬君が、こちら
にやって来た。
「希美!」