【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
私を見つめる少しだけ金髪の降りかかっ
た瞳に吸い込まれそうな錯覚をも覚える
。
逃げたいのに、逃げられない。
すくんで。少しでも動けば、唇と唇が、
当たってしまいそうで。
お互いの吐息が交わるたび、くらくらと
脳が酸素を失って。息の仕方も忘れてし
まったみたい。
「な、なんなの……っ」
「―――なあ、和馬って誰?」
そんな香坂の言葉に、ぐらぐらに歪んで
た意識が、だんだんはっきりする。
「和馬って、誰」
もう一度同じ質問を繰り返した香坂は、
目をギラギラと光らせて。
まるで獣のように。
私はそれ以上見ていられず―――ううん
見られるのに耐えられずに。