【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~





とりあえず萌だけでも、と頷きかけた時
、不意に、掴まれていた手首の圧迫感が
消えて。



「いだだだっ……!」



と男が悲痛そうに叫んだかと思ったら、
いつの間にか目の前に、香坂が立ってい
た。



「……汚ねぇ手で委員長にさわってんじ
ゃねーよ」



香坂はここからだと背中しか見えなくて
、表情は窺えなかったけれど、その口調
と声色から、怒ってるのは一目瞭然だっ
た。



どうやら香坂は男の手を捻りあげたらし
く、男は半泣きになって怯えながら去っ
ていった。



それに、ふう、と安堵の息をついていた
ら。



「……ふざけんなっ…!」



不意に、香坂がこちらを振り向き、私を
睨みながらそう唸ったかと思えば、私の
腕を掴んだ。



突然の事にビックリする私を、そのまま
教室から連れ出す香坂。





< 222 / 426 >

この作品をシェア

pagetop