【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
「こ、香坂……」
慌ててそう呼び掛けるも、返事をしてく
れない香坂。
そういえば前にも同じ事があったっけ、
と、つい最近の出来事を思い出す。
それは和馬君が転校してきた日の事。─
─無理矢理、保健室に連れていかれた、
あの日。
あの日も、香坂は不機嫌で、何も喋って
くれなくて。
だけど今日は、それよりももっと怒って
るようだった。
香坂は半ば私を引き摺るようにして、空
き教室に連れていく。
そこは更衣室として使用していた所で、
辺りには衣装やら段ボールやらが散らか
っていた。
「香坂……」
「委員長、さっきなにしようとした?」
相変わらずの低い声で、そう問いかける
香坂。
「あのナンパ男の誘いに、乗ろうとした
んじゃないの?」