【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
「……っ」
「……ほら、男に女が力で敵うわけない
んだよ。女なんて力ずくでどうにでも出
来る」
悔しい。
香坂に何も言い返せない自分が悔しい。
安易だった自分が悔しい。
唇を噛み締めていると、不意に、コテン
、と肩に香坂の額がくっ付けられて。
「頼むから……無茶しないで……」
私の肩に頭を凭れさせた香坂は、悲痛そ
うにそう呟いた。
「香坂……」
「委員長が他の男に汚されるなんて我慢
出来ない。……委員長を失いたくない」
「……香坂?」
「ねえ、委員長───」
香坂はそう言うと、顔を上げて。
「少し、昔話をしようか」
泣いてるような笑みを浮かべて、そう言
った。