【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
◆愛情、憎悪、軽蔑 ─禊side
愛される方法がわからなかった。
だから。
愛される事を諦めるしかなかった。
俺はなんのために産まれてきたんだろう
。
───はっきりとそんな疑問を抱いたの
は中学生になってからだったけど、きっ
と小さな頃から、その感情は抱いていた
。
なんで俺には父親が居ないんだろう、と
疑問を抱いたのもそれくらいで、父親が
居ないことが今更気になった訳じゃなか
ったが、居ない理由が気になった。
だけど中学生の頃にはもう───それこ
そ、小学校低学年の時には既に母親との
関係は冷めきっていたので、そんな質問
を出来るような環境じゃなかった。
自分の母親を、"出来損ないの人間"とし
て見るようになったのは、四年生の時だ
ったと思う。
その頃までは微量ながらもまだ微かに残
っていた愛情が、綺麗に消え去った瞬間
だった。
保育園に通ってる頃から、自分の母親が
他の同い年の子達の母親とはどこか違う
のは知っていた。