【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
かと思えば苦しそうに目を細めて、急に
ワンワンと泣き出すのだ。
そんな母親が痛々しくて、見てられなく
て──でも。
どこか冷静に、それを傍観する自分が居
た。
そんなある日の事だった。
ついに母親は、俺に手をあげた。
こんな日がいつか来るだろうとは思って
いたから、叩かれたり殴られたりするこ
とにあまり驚きも衝撃も受けなかった。
しかし、心が抉られたのは、俺を罵倒す
るその言葉だった。
『あんたさえ居なければ……っ!』
『あんたなんか産まれて来なければ!』
なんて身勝手だろう。
産んだのは自分のくせに、その責任を俺
に負わせるなんて。
この日、俺達の関係は、凍結しきった。
中学生になると、母親の当て付けに、俺
は誰彼かまわず抱くようになった。