【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~





かと思えば苦しそうに目を細めて、急に
ワンワンと泣き出すのだ。



そんな母親が痛々しくて、見てられなく
て──でも。



どこか冷静に、それを傍観する自分が居
た。



そんなある日の事だった。



ついに母親は、俺に手をあげた。



こんな日がいつか来るだろうとは思って
いたから、叩かれたり殴られたりするこ
とにあまり驚きも衝撃も受けなかった。



しかし、心が抉られたのは、俺を罵倒す
るその言葉だった。



『あんたさえ居なければ……っ!』

『あんたなんか産まれて来なければ!』



なんて身勝手だろう。



産んだのは自分のくせに、その責任を俺
に負わせるなんて。



この日、俺達の関係は、凍結しきった。



中学生になると、母親の当て付けに、俺
は誰彼かまわず抱くようになった。





< 230 / 426 >

この作品をシェア

pagetop