【完】保健室で君と××～プレイボーイとイケナイ恋愛授業～
◇切なさが沁みる胸 ─希美side
「愛情とか……ひっくり返せば、いくら
でも負の感情になるようなもん、要らな
いと思った」
香坂の話は、思ってた以上に衝撃的だっ
た。
どれくらい辛かったのか、なんて、体験
したことのない私には到底理解も出来な
いけれど。
でもそれは、計り知れないくらいに大き
なモノだったと思う。
だって、こうして話を聞いているだけの
私が、こんなにも辛いんだから。
香坂のこと、ずっとお気楽で能天気で、
女の子にだらしない最低な奴だと思って
たけど。
その裏側には、たくさんの感情が隠れて
いたんだ。
「だけど、委員長に……委員長に出会っ
てから──」
……私？
突然自分の事が出てくるとは思ってなく
て、思わず首を傾げてしまう。
