【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~





間の抜けたような、香坂の声。だけど、
その声はやけに震えていて。



私は香坂を抱き締める力を、強めた。



「そんな風に、言わないで……ッ!」



そんな、自分のことを、"罪の産物"なん
て。



「産まれて来なければいい人間なんて、
一人も居ないのよ!それは香坂だって、
同じでしょ……!?」



生きる、っていうのは、もっともっと、
素晴らしい事で。



とても、幸せな事なのよ。



「幸せになるのが人間の権利でしょ?だ
からそんな風に言うのはやめてよ……」



ポタリ、と頬を温かいものが伝って、そ
れに気付いた香坂が苦笑いしながら、私
の溢れた涙をぬぐってくれた。



「……なんで委員長が泣くの?」

「だって……!」



だって……よく、わからないけど。すご
く苦しくて。





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