【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~





「委員長は、他の女とは違うよ」

「……なんで?」

「なんでも」



なんでもってなんだそりゃ。



そんなの答えになってないじゃない、と
言おうとしたら、ぐいっと腕を引っ張ら
れて。



「──今は、このままでいさせて」



そう言って香坂が、私の胸元に顔を埋め
てきた。



香坂の肩が、小刻みに震えていて。



やがて感じた、胸元を濡らす香坂の涙が
、そのまま胸に沁みてくるようで。



私も、泣きたくなった。



◆◆◆



「今日は香坂といきなり居なくなったか
らビビった」



その日の帰り道。



無事に文化祭一日目を終えて、帰宅する
途中、隣に並んだ和馬君が、少し拗ねた
ようにそう言った。





< 237 / 426 >

この作品をシェア

pagetop