【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
和馬君とは帰り道が一緒だから、特に用
事が無いときはこうして二人で帰ってる
。
「ああ……ごめんね。和馬君、大変だっ
たでしょ?」
そう言うと和馬君は、項垂れるように苦
笑いを浮かべた。
その表情にはちょっと痛々しいくらいに
疲労感が滲み出てる。
「ほんとすっげー大変だったんだぞ?香
坂が相手してくれてた女の子達が、今度
はよってたかって俺を呼ぶし……」
「和馬君、人気者だからね……」
そう言うと、嬉しくねぇよ、と和馬君は
唇を尖らせたけど。
つまり、香坂目当てだったお客さんが、
一斉にターゲットを和馬君に切り換えた
って事か。
店内のあちこちの女の子に呼ばれる和馬
君を想像して、私も苦笑いをした。
「なんか……ごめんね、和馬君」
そう言うと、不意に和馬君は真剣な顔つ
きになって。
ふと、足を止めた。