【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
和馬君が足を止めたから私も止め、少し
後ろで立ち止まった和馬君を振り返った
。
「……和馬君?」
そう呼ぶと、和馬君は悔しそうに表情を
歪ませて。
「……ごめん……」
と、掠れた声で呟いた。
そんな和馬君に、思わず怪訝な表情を返
してしまう。
だって、和馬君に謝られる覚えも、何か
された覚えも無いんだもん。
「……どうしたの?」
「今日、……希美のこと、香坂が助けて
くれたんだろ?」
「え?……ああ…」
それってもしかして、ナンパの事かな。
まあ、一応助けてもらったっちゃ助けて
もらった事になるんだろうけど。
でもだからって、なんで和馬君が謝るん
だろう。
「俺、知らなくて。希美がそんな目にあ
ってるって、気付かなくて。……ごめん
な」