【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
五章『溢れる気持ち』
◇キスの意味 ─希美side
それは、十月のある日の事だった。
「あ、そうそう。いい忘れてたけど、明
日はお母さんもお父さんも帰ってこない
から」
「……はい?」
リビング夕食を食べていたら、いきなり
そんなことを言い出したお母さん。
あまりに突然すぎて、ちょっと理解出来
なかった。
「え、どういうこと?」
「だからそのままの意味よ。明日、泊ま
り掛けでお父さんとデートしてくるから
」
語尾にハートでも付きそうな勢いで、ニ
コッとそう言ったお母さん。
……デートねぇ……。
「ふーん。良いんじゃない?いってらっ
しゃい」
そう言って、また夕食を口に運ぼうとす
ると。
「それで、明日は和馬君のお家に泊まっ
てもらうから!」