【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
やけに挑発的なその鋭い眼差しを、俺は
冷静に見据え返した。
暫くそのまま見つめあっていると、向こ
うが舌打ちしながら顔を逸らした。
……彼は、一番厄介な男だ。
前に一度、香坂がどんな男なのかを希美
に訊いた事があった。
その時希美は、「皆の人気者でただの変
態」と言ったけど。
もちろん、変態、の部分も引っかかるこ
とは引っかかるのだけど、なによりも一
番、人気者、という所に違和感があった
。
人気者だっていうなら俺に話しかけても
いいだろうに、それをしないのは多分、
俺の希美に対する気持ちに気付いてたか
ら。
詰まる所、アイツも希美が好き、って訳
で。
それに──……。
人気者、なんて信じられなかった。
"笑うこと"が出来てる、なんて──。