【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
半ば半信半疑だったが、ここ暫くアイツ
の様子を見ていて、漸く納得がいった。
笑ってるんじゃない。
あれはただ、機械的に口角をあげてるだ
けだと──……。
意図的に"笑ってる"のであって、笑いた
くて笑ってるんじゃない。だからとても
嘘くさい笑顔だった。
かといって、それを俺がどうこうできる
訳じゃねーけど。
◆◆◆
「……ただいま」
「お帰りなさーい」
家に帰ると、やけにご機嫌な母さんの声
が聞こえてきた。
希美が家に泊まりに来てから、ずっとこ
うだ。相当嬉しかったらしい。
「ねえ和馬、また連れてきてよね?希美
ちゃん」
「ハイハイ」
こんな会話も、この一週間のうちにどれ
くらい交わしたことか。