【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~





半ば半信半疑だったが、ここ暫くアイツ
の様子を見ていて、漸く納得がいった。



笑ってるんじゃない。


あれはただ、機械的に口角をあげてるだ
けだと──……。



意図的に"笑ってる"のであって、笑いた
くて笑ってるんじゃない。だからとても
嘘くさい笑顔だった。



かといって、それを俺がどうこうできる
訳じゃねーけど。



◆◆◆



「……ただいま」

「お帰りなさーい」



家に帰ると、やけにご機嫌な母さんの声
が聞こえてきた。



希美が家に泊まりに来てから、ずっとこ
うだ。相当嬉しかったらしい。



「ねえ和馬、また連れてきてよね?希美
ちゃん」

「ハイハイ」



こんな会話も、この一週間のうちにどれ
くらい交わしたことか。






< 266 / 426 >

この作品をシェア

pagetop