【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
図星を突かれた事が恥ずかしくて、自分
でも赤くなるのに気付きながら、プイッ
とそっぽを向けば、「きゃーっ!」とい
うお母さんの叫び声が聞こえてきた。
「ついに希美が自分から認めた!」
「……はぁ?」
「いやもう我が娘ながらデレる所が可愛
すぎてアカンわ~」
なんでいきなり口調変わってんの、と呆
れながらふと、あることに気付く。
まさかお母さん、私が香坂とデートする
んだって勘違いしてる?
和馬君と付き合うことになった、ってい
うのは、特に言う必要もないかと思って
言わなかった。
だから、お母さんが勘違いしてるってい
うのは十分にある。
「あの、お母さん……」
「それより希美、こんなゆっくりしてて
大丈夫なの?」
「……え…きゃーっ!」
今度は私が叫ぶ番だった。
きょとんとしたお母さんに促されるよう
に確認した時計は、待ち合わせの十分前
を示していた。