【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
六章『絡まりあう心』
◆意味深な言葉 ─禊side
───12月。
いつの間にか、吐息は白く染まり、マフ
ラーと手袋が必需品となっていた。
俺はズボンのポケットに手を突っ込みな
がら、うつむきがちに歩く。
吹き付ける冷たい風が、丸で今の俺の様
子をそのまま映し出しているようだった
。
あれから、委員長には触れていない。
委員長とは普通に話したりするけれど、
もう安易に触れることが出来なくなった
。
俺が、臆病だから。
また、あの日みたいに、キスマークなん
て見せられたら、俺はあの日よりも深く
傷付くから。
怖いんだ。
委員長はもう手に入らないんだって事実
を突きつけられて、それを認めなくちゃ
いけないのが怖いんだ。
認めたくなんて、ないから。
まだ望みはあるんだって、思っていたい
から。