【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
◇発熱 ─希美side
「38度6分……完璧な熱ね。今日は休ん
でなさい」
そんなお母さんの声も、ふわふわした意
識に取り込まれて、よく聞こえない。
ただ、この気だるさと動悸と頭痛と、お
母さんが体温計をにらめっこしてる事か
ら推測しても、多分熱があるのは確定。
どうしていきなり、熱なんて……。
「血だらけになったり高熱になったり、
全く忙しいんだから、あんた」
血だらけってお母さん……、と思わず苦
笑い。
昨日帰ったらお父さんにもお母さんにも
、すっごいびっくりされた。だって娘が
包帯ぐるぐるで帰ってくるんだもんね。
お父さんはヤンキーにやられた、とまで
勘違いするし。大変だった。
「じゃあ希美、ご飯、冷蔵庫に入れてお
くから。果物くらいは食べるのよ?」
「はーい……」