【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
七章『真実』
◆全て、偽りだった ─禊side
そうか、思い出した──……。
市原の話を聞き終わって、家に帰る途中
、俺はある記憶を引っ張り出していた。
そういえば、四年生の時に、やけに機嫌
のいい母親に、どこかに連れていかれた
気がする。
とはいっても、母親がニコニコと笑って
るのをみるのはそれが最後だったけど。
あの時はもう、既になにもかもがどうで
も良くなっていたから、なんで連れてい
かれたのかなんてわからなかったけど。
そうか、あの時の人が俺の父親だったの
か──……。
父親なんて、あの女の事だから、適当に
遊んでたら出来ちゃったくらいのノリで
、あの女でさえ知らないと思っていたけ
ど。
……ちゃんと、居たんだな。
正直、不思議な気分だ。
急に市原と兄弟だとか言われたって、あ
あそうですか、ってすぐに理解できる訳
がない。