【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~





思い出そうとしても思い出せないくらい
に遠い記憶だった。



……まあ、思い出す必要もねぇけど。



「はぁー、飲みすぎたわ~」



そう言いながら、椅子に座って水を飲む
母親。



暫くまともに正面から見てなかったから
気付かなかったけど、やっぱり少し老け
た気がする。



とはいっても、どこかのキャバ嬢かと思
うくらいに化粧は濃いし、何故かそれが
似合っているけれど。



ふと、市原に言われたことが頭を過る。



前はなんか聞きにくくて聞けなかったけ
ど、今なら───……。



「……あのさ、聞きたい事があんだけど





そう呟くと、母親が立ったままの俺を見
上げた。





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