【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
そして、赤く塗られた唇を、挑戦的につ
り上げる。
「へぇ、珍しい。何よ?」
「……俺のクラスに、市原和馬っていう
同級生がいんだけど……」
そう言った瞬間、母親の瞳に激しい感情
の色が突っ切ったのがわかった。
……やっぱり、あの話は本当なのか?
その瞳は、少し高揚したように見えて、
だけど確かに憎悪も含まれていた。
「……へえ、あの女の子供がね?」
唇を歪めてそう言った母親。
その瞳が、憎々しげに光る。
「……市原から聞いたんだけど、俺と市
原が、兄弟だって───……」
そう言うと、母親は少し目を見開いて。
そして、耳を疑うような言葉を紡いだ。
「やだ、その事、まだ信じてるの?あの
二人も、その子供も」