【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
一瞬でも、愛してほしいだなんて願って
たあの頃の自分が悔しい。
愛されるわけ、無かったんだ。
何か市原の父さんの気を引ける物なら、
なんでも良かったんだから。
「だから腹いせに、嘘だってことは言わ
ないでいたんだけど……そう、まだしん
じてるの」
クスクスと笑う母親。そして──。
「あんな女の子供と馴れ合うんじゃない
わよ。あんたにだってそれくらい出来る
でしょ」
冷たい眼差しで、そう言った。
なんだよそれ。
あんたにだってそれくらい、って、つま
り俺は今まで、役たたずだったっていい
たいのか?
……俺の存在する意味って何だ?
結局、こんな女の道具になるために産ま
れてきて、使えなかったらそのまま放置
で。
全部、偽りだったのか。