【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~




小さく目を見開く健二さん。



千枝ちゃんと和馬君も、目を見開いてい
た。



「全部、全部俺の母親の嘘だったんです
。貴方たちを騙すための……」



そう言うと、初めて顔を上げた香坂。



香坂は、まるで嘲笑するような、泣きそ
うな笑みを張り付けていた。



「俺と貴方も、俺と市原……和馬も、血
なんて繋がっていない。


……ただの他人なんです」



香坂はそう言うと、今度は私を見つめて
、また、無理に笑った。



「委員長……あの時の言葉、忘れて」

「え……」

「俺が好きだって委員長に言ったこと、
忘れて……」



そう言うと、香坂は踵を返して、リビン
グから出ていった。



──ガチャン……。





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