【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
「……希美は俺の恋人だろ?」
……そうだけど。そうなんだけど…っ
「行くなよって言っても、行くのか?」
そう言った和馬君に、私は泣きたい気持
ちを堪えて、和馬君を見上げた。
「……ごめんね、和馬君」
そう言うと、和馬君の手の力が緩んで。
私はその隙に、駆け出した。
ごめんね。ごめんね、和馬君──。
今は、香坂が一番大事なの。
──和馬君の家から出ると、まだそう遠
くには言ってなくて、小さな背中を確認
出来た。
慌てて香坂を追いかける。
「っ香坂!」
香坂の後ろまで追い付くと、私はそう呼
んで、香坂の腕を掴んだ。