【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
「委員長……」
そう言って振り向いた香坂の瞳が、あま
りに虚ろで。今にも消えてしまいそうで
、怖くて。
思わず、香坂を掴む手のひらに力が入っ
てしまう。
どうしよう……。引き止めたはいいけど
、なんて言えばいいの?
だって、なんで香坂を追いかけに来たの
かも自分でわかってないのに……。
「あ、の……」
「委員長、俺のこと追いかけて来なくて
良いんだよ」
「でも……」
「委員長、お願いだからさ……」
そう言うと、香坂は少し笑って。
「もう俺の中に踏み込まないでくんない
?」
冷たい声で、そう言った。
香坂のこんな声、聞いたことない。