【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
「……俺ね、要らない人間だったんだ。
俺が必要とされてたのは四年生まで。そ
れからは役に立たない、ただのがらくた
」
要らない人間、なんて。
ただのがらくた、なんて。
そんな人、いるはずないのに。
「結局、道具にされるために産まれてき
て、使うだけ使われて、ポイ。ねえ、委
員長……」
香坂が、もっと強く私を抱き締める。
「もう俺、何を信じればいいのかわから
ない。誰を信じればいいのか……わかん
ねーよ…」
涙が交じったような声。
そんな思いを、香坂は一体、何年間抱え
ていたんだろう?
どれくらいの月日を、我慢していたんだ
ろう──。
「……私がいる」