【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
八章『本物の愛』
◆君を解放するから ─禊side
「もうすぐバレンタインだね、香坂」
二月上旬。
委員長と手を繋ぎながら歩いていると、
不意に隣で委員長がそう呟いた。
委員長はマフラーをぐるぐる巻きにして
るから口元は窺えないんだけど、多分、
微笑んでるんだと思う。
……バレンタイン。そっか、もうそんな
時期なのか。
「香坂、どんなチョコが欲しい?」
そう尋ねてくる委員長に、思わず頬が緩
む。
まさか委員長に、そんな言葉を言って貰
える日が来るなんてな……。
「委員長がくれるんだったら、何だって
嬉しいよ」
そう言うと、目に見えて委員長が照れた
のがわかった。
ああもう、可愛いなあ、委員長。