【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
「……じゃあ、恋心だって言える?」
「それは、まだわからないけど、でも、
きっと恋心だと思う。だってこんなに香
坂が大事だって思うから。香坂を守りた
いって思うから」
委員長の言葉のひとつひとつが、痛いく
らいに胸に染みて、すごく嬉しいのに、
切ない。
胸が痛いんだ。
「……委員長は、俺に感情移入してるだ
けだよ。不幸が重なった俺を、可哀想だ
って思っただけだよ」
委員長はお人好しだから。
そんな委員長の優しさに俺は甘えていた
けど。
そんなのさ、虚しいだけだって気付いた
からさ。委員長の同情とか優しさに、甘
えて、浸って、夢見心地なだけじゃ。
いつまでも俺は、前へ進めないから。
「委員長、今までありがと」
「っ香坂──」
「バイバイ、委員長」
大好きだったよ、委員長。
……大好きだよ、委員長。