【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
私は、吹き付ける北風に震えながら、重
たい足取りで家へと向かう。
ダメだ。頭ん中、ぐちゃぐちゃすぎる。
どんな行動が正しいのかもわからないし
、自分の気持ちもわからない。
ただ、胸の真ん中の辺りが、とても苦し
い。
まるで鋭利なナイフを突きつけられたか
のように、鋭く痛んで。香坂に突き放さ
れた事に、こんなにショックを受けてる
なんて。
は、と小さな笑いが零れる。
変なの。
最初は香坂のこと、大嫌いで仕方なくて
、すっごい鬱陶しかったのに。
今じゃ、こんなにも大きな存在になっち
ゃってるんだ。
「……希美?」
家へと帰る途中、不意にそんな風に名前
を呼ばれて。