【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
そしてそのまま、返信が来るのを待って
いたけど、やっぱり返信は、無くて。
かじかんで感覚の消えていく手のひらに
息を吹きかけて、そっと温める。
やがて、一時間、二時間と時間が過ぎて
……。
寒さにだんだんボーッとし始めた時。
「──バカ野郎!」
いきなりそんな怒鳴り声とともに、後ろ
から何かに包み込まれた。
耳朶にかかる熱い吐息。
耳の奥を刺激する、低い声。
ドキドキする、この温もり。
「……香、坂」
顔を見なくたってわかるよ。香坂、来て
くれたんだね。
嬉しくて泣きそうになっていると、ぐい
んっと身体を反転させられて、香坂と向
き合う形になっていた。