【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
揺れる琥珀色。
それはしっかりと私の鎖骨に向けられて
いて。
「こんなことしても、虚しいだけだよな
……」
なんて独り言を言いながら、私の上から
退いた。
私も慌てて起き上がり、ボタンを止めて
、乱れた制服を直した。
「―――俺、今日。初めて女を拒否した
よ」
不意に放たれた言葉は消えそうな程小さ
く、ベッドに埋もれそうだった。
香坂は私を見つめると、ちょっと困った
ように笑った。
「俺の座右の銘、知ってる?」
そう言われて、私は咄嗟に。
「来るもの拒まず、去るもの追わず」
と答えた。