【完】保健室で君と××~プレイボーイとイケナイ恋愛授業~
二章『幼なじみの存在』
◇実行委員会 ─希美side
「―――あれ、絆創膏取れたんだ?」
6月も終わりに差し掛かったこの頃。
お昼ご飯を萌と食べていたら、不意に萌
にそう言われて、思わずドキッと心臓が
跳ねた。
ちょっと鎖骨の辺りを撫でながら、ぎこ
ちなく微笑む。
「あぁ……うん。まあね」
「ふーん。鎖骨に怪我するなんて、希美
も相当変わり者だよねー」
そう言いながら小さく切り分けたたまご
やきを口に放り込んだ萌に「そうだね」
と答えてみせた。
鎖骨なんて、怪我してない……。
私はあの日、初めて「キスマーク」とい
うものの存在を知ったのだ。
香坂に好きな人が居るんだって知ったあ
の日、鎖骨に口付けられて感じた鈍い痛
み。
家に帰ると、そこだけが赤く色付いてい
て。